PROJECT

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13年ぶりのフルモデルチェンジ!
新幹線「N700S」に対応するシステム更新。

2020年7月より営業運転を開始した新幹線の新型車両「N700S」。それに伴い、東海道・山陽新幹線の安全・安定輸送を担う「新幹線運転管理システム(通称:コムトラック)」の開発・保守に携わるJTISもシステムの更新対応を実施。コムトラックの中でも、運転中の列車に対する進路の制御や、運転状況の伝達、当日の運行状況に合わせた各種変更を行う指令員の支援などを行う「PRC」の更新に携わった2人の社員に話を聞きました。

PROJECT MEMBER

東京システム本部 コムトラック部

Y.S.

2008年入社

主任であり、今回のプロジェクトのリーダー。スケジュール管理や、顧客・協力会社との仕様調整を実施。S.S.とは入社して以来10年以上の付き合い。

東京システム本部 コムトラック部

S.S.

2006年入社

今回のプロジェクトを含めたグループ全体を管理するグループマネージャー。工程管理などの管理業務のほか、設計内容・試験内容の確認を実施。

新車両導入にあたってのシステム更新とは?

S.S.
新車両が導入されても列車が今どこにいるかという運転状況を伝えることに関しては変わりありません。ただ、列車の走る速度が変わるので、減速のタイミングや、遅延が出た際に1時間後どこに着いているのかなどの変化が生じます。それをシステム的に予測するために改良を加えていきます。
Y.S.
新幹線は、実際の列車を使って試験をすることができないので、シミュレーターという列車の走行を模擬したシステムを使います。それを使って試験をするため、シミュレーターを含めてシステム全体を改良して新しい車両に対応していきます。
S.S.
2013年にN700系をグレードアップさせた「N700A」という車両が導入されました。その「N700A」および、今回の「N700S」の導入により、車両性能が向上されたことで「のぞみ」を1時間あたり最大12本走行できるようになりました。
Y.S.
「N700A」の車両のデータを追加した際には、システムの最高速度なども上げており、今回そのデータを活用することができました。事前の準備と経験があり、今回のプロジェクトはスムーズに問題なくいけたのかなと思います。

プロジェクトを通して苦労したことを教えてください。

Y.S.
久しぶりのフルモデルチェンジということもあり、顧客であるJR東海から仕様に関する問い合わせも多く、その対応に時間を要しました。また、機能によって異なる会社にプログラム改良を依頼するため、協力会社は3社。それぞれの意見や工程の擦り合わせに苦労しました。JR東海 の意見をしっかり汲み取り、協力会社の声にも耳を傾ける。JTISの判断が間違ってしまうとその後の作業に手戻りが発生してしまうため、本当に密にコミュニケーションをとりながら仕事を進めました。
S.S.
最終的な納期は決まっているので、本当に協力会社との連携を密に行いながら工程の進捗具合を確認して進めていく形でしたね。私の場合はこのプロジェクトの他にも同じコムトラックというシステムに対して違う改修がグループで3つ4つ同時に走っていたので、バージョン管理には苦労しました。こちらを改修したら、それをあちらに反映してみたいな形で、それぞれみんなで理解するために色々話しながらやっていきました。今回のプロジェクトを通してJR東海、協力会社、そして社内においてコミュニケーションの重要性を再認識しました。
Y.S.
この仕事はコミュニケーションが一番大事ですよね。JTISの立場や役割もコミュニケーションを円滑に行うことにあると思います。だから、社員同士も風通しよく働けているのかなと思います。また、私自身今回のプロジェクトを通して、顧客はシステムのことをJTISに頼ってくれているなと感じたので、顧客の要望に応えられるよう、システムの知識を、より深めていくことが大事だと感じました。

社会に影響を与えたと感じたことや、
やりがいはありましたか?

S.S.
最近は、新幹線の運行情報が HPにリアルタイムで表示されるようになったり、エクスプレス予約システムと連携されるようになったりし、コムトラックの情報がご利用される一般のお客様の目に触れる機会が増えてきているので、社会への影響の大きさを感じます。その状況下において、JR東海としても大きくアピールしていた新車両N700Sのプロジェクトに携われたことにやりがいを感じました。
Y.S.
遅延が発生したときに、どの列車がどこの駅に何分遅れで着きますなどの、元となる情報も私たちの仕事ですからね。インターネットで簡単に世界中の人が見られるようになっているので、やっぱりミスはできないなと改めて感じます。今回N700Sという世間からも注目される新車両を問題なく出せたので安心しましたね。デビューを心待ちにしていたお客様が、安心してご乗車でき、報道等でも取り上げられていましたので、社会への影響は大きいと感じました。
S.S.
システムの不良で新幹線を止めてしまえば、たくさんの人に影響を与えるシステムですし、間違いなくニュースにもなります。そんなシステムだからこそプレッシャーは大きいですが、だからこそ、そこがやりがいでもあるのかなと思っています。
Y.S.
コムトラックはできてから50年以上経ちますが、システムトラブルで新幹線が止まったことはまだないですからね。今後もコムトラックに携わって、それを続けて守っていきたいと思っています。
S.S.
もちろんそれが当たり前でなければいけないのですが、新幹線が止まることのない、絶対にミスのない開発・保守を今後も続けていきたいです。

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より便利に、より快適に。
交通系ICカード「TOICA」のサービス拡充。

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